佐々木直彦の i to B ブログ

幸せなビジネスパーソンをうみだすカギは、i to B

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 現代を生きるビジネスパーソンは、どうしたら幸せな人生をきりひらくことができるだろうか? そして、自分を生かした仕事をして、人を幸せにすることができるだろうか?

 この、とても重要な問いの答えは、ずばり、i to B だと私は考える。

 企業が、法人企業相手にアプローチするビジネスがB to B 、個人のユーザーにアプローチするビジネスがB to C 。
 個人として、自組織であれ、お客様であれ、企業にたいしてアプローチして価値提供し、報酬を得る姿が、i to B。

 提案し、人を巻き込んで、新しい状態をうみだしていく i to B の能力があれば、自社で変革をおこしたり、ビジネス創造しやすい。お客様相手にも同様だ。
 いざというときは、この力を生かしてよい転職がしやすくなる。独立して、企業相手のビジネスをやりやすくもなる。

 いま、ビジネスパーソン一人ひとりにとって、このi to B が大変重要な時代が来たと思う。

 私は、コンサルタントとして四半世紀、さまざまな企業の問題解決、夢実現を手伝ってきた。
 この20年ほどのあいだに、働いている人たちの仕事は面白くなくなってきたように思える。特に大手企業に、その傾向が強いように思う。

 自分から提案し、お客様、あるいは社外の人とコラボレーションし、未来に向かって共感しあいながら新しい仕事をうみだしていく、それによって誰かに新しい価値を提供し、自分自身のキャリアもひらけていく。
 そういう仕事が減っているのではないか。逆に、やらされ感の強い仕事が増えているのではないか。
 この結果、特に大手法人企業をお客様にするB toB でビジネスする企業では、お客様企業と一緒にじり貧になっていくということが起きていると、私は思う。

 東京都心には相変わらず人が集まっている。「都心再開発」プロジェクトが立ち上がるたびに、最新の高層ビル群が出現し、郊外から都心へ通う人の数は増え、朝のラッシュはひどくなり、パニック障害になる人は増加している。パニック障害になった人の3人に2人が「うつ」を発症している。
 朝、定時に出勤すると、エレベータの前には長蛇の列ができる。みな下を向いて順番が廻って来るのをただ待つことになる。昼休みにはトイレに入れない人が多数出る。

 これが、ビジネスパーソンの望む姿なのだろうか。
 仕事が面白くなくなっているだけでなく、通勤も含めたビジネスパーソンの日常もまた、面白くなくなっているのではないかと思う。

 企業は、変革を起こしたり、新規ビジネスの創造をしたいと考えている。しかし、なかなか実現できない。
 企業にとってのお客様企業もまた、変革を起こしたり、新規ビジネスを創造したいと望んでいて、かつ、このままでは目的を達成できる状況ではないという認識を持っている。

 こういう状況のなかで、お客様企業の要望を絶対のものとしてうけとめ、そこに合わせて何かを組み立てようと考えると、価格競争の世界に陥ってしまう。
 かりにコストで貢献できたとしても、お客様企業の未来がひらけていくわけではない。コストダウンより、新しい利益をうみだす仕事の創造が必要なのだ。

 お客様の要望を聞いているだけでは、お客様を幸せにすることはできない。

 新しい価値観でアプローチする新興企業は、どんどん、新しい仕事をうみだしている。新しいノウハウを求めるお客様企業から、リスクを恐れずに新しい仕事をとってくる。彼らは、大手企業がいったん立ち止まる「手続きの問題」や「論理的整合性」などよりも、お客様のビジネスの最前線で新しい成果を早く実現することを重視している。その結果、大手企業よりもずっと高い価格、高い粗利をとれる取引をうみだしている。
 しかし、これこそ、大手企業がかつて、当たり前にやってきたことなのだ。

 企業は、自ら変革し、社内(あるいはグループ内)に新しいベンチャー企業をつくりだすしか、発展的に生き延びる道はない。
 それを実現するのは、突き抜ける提案力、リーダーシップをもった個の存在しかない。あるいは、外部の力を取り入れながら、社内にそうした未来をつくりだせる強力でとんがったチームを作ることしかない、といっていいだろう。

 お客様第一主義は、すでに揺らいでいる。
 伝統的な言葉を使えば、いまの時代のカギは、「お客様第一主義」ではなく、魅力的な未来像に向かって実現していくべきお客様との新しい「共存共栄」のほうだ。
 共存共栄を翻訳すると、「一緒に何かをつくりあげて、新しいハッピーを世の中に提供し、我々も新しい利益を享受しましょう」となる。現代風に言えば「創造的コラボレーションをやりましょう」になると、私は思う。

 「私のやりたいこと」を実現して誰かを幸せにしたいという提案は、自然に人との響きあいをうみだす。
 私もそう思っていたんですよ、とか、それをきいて、私もそれをやりたくなりました、とか。こんなアイディアで、それは可能になると思うんですが、とか。

 私のやりたいことは、誰かを幸せにすることと重なると、みんなで目指そうとするビジョンになる。

 つまり、i to B は、共感をひろげて人を巻き込み、we to B となりうる。
 そして、i to B は、オンリーワンなものをうみだす。そこに生まれるのはレッドオーシャンではない。新しい、ブルーオーシャンの世界だ。

 i to B は、

 1.自分のコアにある資質を磨き生かすこと
 2.相手の問題解決・夢実現を手伝う能力(コンサルティング能力)
 3.ビジョンを掲げて人の力も借りて新しい価値をうみだす能力(プロデュース能力)

 この3つが重要となる。
 すなわち、
 個の特性 × コンサルティング能力 × プロデュース能力
 という掛け算になる。

 今を生きるビジネスパーソンの課題は、閉塞した状況を打開するために、意思決定者を動かせる能力だ。たった一人で、突き抜ける能力があれば、もちろんそれでいい。しかし、一人でやる必要はない。ビジョンをかかげて共感者、支援者、応援者の力を集めれば、だれでも現状を変えるきっかけをつくれる。それで、突き抜けることができる。

 i to B は、ビジネスパーソン一人ひとりが、自分らしいキャリアを拓くカギになる。そして、組織の行き詰まりを解決し、あたらしい社会のあり様を切りひらくカギになると、私は思う。