佐々木直彦の i to B ブログ

プレゼンに勝つ「答え」の出し方 4つめの謎のXとは

うれしい話がありました。
ある大手企業の営業幹部Aさん。
4社競合で、プレゼンに勝ったと。

詳しくは書けないのですが、お客様はこれまで取引してくれなかった大手Z社、競合相手はみな実績ある一流どころ。

プレゼンの前日、私は、全く別のテーマでAさんとディスカッションしていました。Aさんは、やりたいこと(それは是非とも実現して欲しいこと)があるのですが、実現への道筋を明確に整理できないでいましたので、こういうことじゃないですか? と絵を描いてみました。

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左下に「変えたい現状」(実際はどろどろしたリアルな言葉になっています)。右上に「目指す未来のイメージ」(つまりビジョン)。そして真ん中を空白にしておいて、ここに何が入るでしょうか? と問いを投げて一呼吸置きます。
そこに入るべきものは、目指す未来を実現する戦略です。

いくつかでてきたアイディアは3つに整理できました。しかし、何かが足りない気がしました。そこで、もう一つ、謎のXを置いておきました。それを次回までに考えてみましょう、ということにしてその場は終了しました。

プロデュースの方法について、たくさんの人にレクチャーしてきましたが、Aさんのように、じっさいに、次の日にこんなことが起こりました、と報告していただけることはよくあります。

次の日、プレゼンを終えたAさんたちに、お客様は「結局私たちはどんな指標で成功かどうかを判断すればいいんでしょうか?」 と問いかけたそうです。

お客様への提案は、各社とも、変えたい現状を示し、目指すべき成果の指標として、「コストダウン」「時間短縮」「利便性向上」の3つをあげていたようです。

しかし、何かが腹に落ちない。驚きも感動もない。だからこそ、お客様は問いを投げてきたのです。

そのときAさんはピン!ときたそうです。
4つめの謎のXは何だ? と。
そして、左下から右上に向かうシートを思い出し、右上はなんだっけ? と。

目指すべきは、お客様が自社内にノウハウを蓄積して、新しいチャレンジが生まれる会社に進化してもらうことじゃないのか? 自分はそうなって欲しいと思い、今日ここに臨んでいる。
それを再確認します。
この間、わずか1分弱。

Aさんは、真摯に、こう答えたそうです。

「どれだけこの新しい方法を自分たちのものにできたか、ということを一番の指標にしてください。それを私たちがお手伝いします」

この一言が、Aさんの会社に巨額の利益をうみだすことになりました。お客様の心に、ポッと灯された新しい火とともに。

よい問いは、よい答えを生みだします。
魅力的なビジョンを設定し、「どういう方法、戦略でそれを実現するのか」という問いを空白の中に描き出すという思考整理はプロデュースの方法の一つです。そこに、当たり前でない「4つめの謎のX」というスパイスを一振りすると、こんなことがおきます。
一振りだけに、ワン・ダ・フルといいたいのですが、これを言うと、いろんな人に怒られそうです。