3.11から一月あまり。
メディアでは非常に多くの悲劇の映像が流れてきました。
その記憶の蓄積はいまも、多くの人のこころに重たい悲しみを打ち寄せています。
いま、被災していない人たちと接していて、心配なことがあります。
たとえば、東京で働くビジネスパーソンたち。
東北出身者もいます。私もその一人。
しかし、自分自身は被災していません。
多少の不便はあっても、今後の仕事の不安はあっても、多くのビジネスパーソンたちは、とりあえず無事に日々を送っています。
毎日、職場に通って仲間と顔を合わせることができる暮らしは、重たい心を緩和してくれます。しかし、表面的には普通に平静に忙しく仕事をしている人たちの心の本当の状況は、だいぶ違います。
Continue reading 誰もが傷ついているときに、すべきこと
いったい自分は何者か。自分のやりたいことは何なのか。どうすれば、やりたいことが実現でき、人の役に立てるのか。
ひとはみな、自分というものに強い興味、関心があるものだと思います。
しかし普段は、「あまり自分のことを考えたり話したりすると、独りよがりといわれかねない、もっと人の立場にたって考え、行動しなくては」と自制して、どこかで、自分本位にブレーキをかけてしまう。
それが、大人というものなのかもしれません。
しかし、人を幸せにするために継続的に何かをしている人の多くは、自分のやりたいことを生かしてそれをしています。
自分自身が、幸せな状況でなければ、人を幸せにすることはできません。
ですから、自分のやりたいことは何なのか、どうすればできるのか、を整理することは、正々堂々としていいことなのです。
Continue reading ビジョンを語る、ビジョンを聴く
セミナーで、自分のビジョンを書いてもらうセッションをやることがあります。
ビジョンとは何か、ビジョンはどう言葉にすると実現しやすいか、といったことを知っていただくのが趣旨なので、どんなビジョンを取りあげてもかまいません。
「組織の一員として会社をどうしていきたい」というビジョンでもいいですし、「自分がプライベートでやっている少年サッカーチームのコーチとして、どんなチームにしていきたい」というビジョンでもかまいません。
ときどき、まったく書けない人もいますが、いくつか質問をしていくと、だれでも必ず書けるようになります。
Continue reading 「やってもいい」と自分に許可を出す思考
2008年の末に『プロデュース能力』(日本能率協会マネジメントセンター)を出してから、1年半近くたちました。この間に、プロデュースについてのセミナーや、ビジネスプロデューサーを養成するワークショップをたくさんやるようになりました。
プロデュースとは、一つのビジョンのもとに、人々の力を借りて「新しい何か」を創りだし、現状を変えること。
『プロデュース能力』のなかで、プロデュースを、こう定義しているのですが、時代の大転換期にあるいま、新しい何かを生みだしたいというニーズは非常に高まっていると感じています。
「新事業」や「新しい仕組み」の創造、営業の改革、変革を起こすリーダーの育成を何とかして実現したいという企業は多く、その方法論として「プロデュース」が注目されてきたのだと思います。
Continue reading 自分を生かして社会に役立つ
人は誰も孤独で弱い存在。
しかし、「未来がひらける思考」を持つことで強くなれる。優しくもなれる。
私は、そう思っています。
チャンドラーのハードボイルド小説『ロング・グッドバイ』で、主人公のフィリップ・マーローは
「どうして、あなたってそんなに強いのに優しいの?」と聞かれて答えています。
「強くなければ生きていけない。やさしくなければ、生きていく資格がない」
20年間コンサルタントをやってきて、この有名なフレーズは、ほんとうに正しいと思うようになりました。
Continue reading 「未来がひらける思考」は、人を優しく、そして強くする