コンサルタントの事件簿

自分を生かして社会に役立つ

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 2008年の末に『プロデュース能力』(日本能率協会マネジメントセンター)を出してから、1年半近くたちました。この間に、プロデュースについてのセミナーや、ビジネスプロデューサーを養成するワークショップをたくさんやるようになりました。

 プロデュースとは、一つのビジョンのもとに、人々の力を借りて「新しい何か」を創りだし、現状を変えること。

 『プロデュース能力』のなかで、プロデュースを、こう定義しているのですが、時代の大転換期にあるいま、新しい何かを生みだしたいというニーズは非常に高まっていると感じています。
 「新事業」や「新しい仕組み」の創造、営業の改革、変革を起こすリーダーの育成を何とかして実現したいという企業は多く、その方法論として「プロデュース」が注目されてきたのだと思います。


 プロデュースは、新しい提案を実現させるために、思考・行動・リーダーシップの面で特徴的なスキルを発揮することが必要です。
 しかし、そうしたスキルを身につければ、短時間で成果が生まれます。訓練プログラムもそう複雑なものではなく、比較的短期間の訓練で、ビジネスプロデュースや、営業上の大きな成果、あるいはビジネスパーソン個人個人の昇進や異動・転職などキャリア創造面での成果に結びついています。

 そして、プロデュースについて学んだ結果、鬱(うつ)状態から脱却できたという人が、これまで数人いらっしゃいました。

 なぜ、プロデュースのスキルを身につけると、(場合によってはプロデュースのスキルについて知るだけで)鬱がよくなるのか。
 「プロデュース」が本当に鬱からの脱却に効果があるのなら、そのメカニズムについて整理すべきだな、と思っています。

 プロデュースの方法論を知ると、やりたいことを諦めなくなります。
 やりたいことに反対があっても、新しい提案に反対があるのは当たり前と受けとめて、実現するために突破口を探せばいいと考えられるようになるからです。

 また、やりたいことを自分のなかで魅力的に整理し、ひとに魅力的に話せるようになり、共感者・応援者を見つけていくことができるようになります。ビジョンを明確にする中で、自分のやりたいことが人の役に立つことと結びついていきます。
 プロデュースをすることは、結局、自己肯定的な思考をもって、周囲の人とWIN-WINな人間関係をつくることにもつながる、と考えています。

 「無力感から効力感への転換」

 このあたりが、鍵かなと考えていますが、整理はまだまだこれからです。

 プロデュースについて学んでから、日常の中にワクワクすることが増えたという方は非常に多いです。
 プロデュースには闘いもあり、けっして楽ができるという感覚にはならないはずですが、おそらく、人間はみな、楽なだけでは何かが足りないのだと思います。やはり、自分を磨いて、自分を十分に生かして、それが何らか人の役に立つと実感できてはじめて納得できる世界があり、それが大事なのだろうと、私は思います。