自分の蝶を放て!

いい聴き手になるために必要なこと






プレゼンは一方的なものではない。もともとプレゼンは、相手の協力のもとに、ある目的を果たすためのコミュニケーションだと考えたほうがいい。





だれでも、自分の情報を聴き出そうとしてやってきた相手がいれば、その相手がどんな人間かを気にする。そして、なぜそういう情報を知りたいのかを知りたい。相手の考え方やスタンスに共感できる程度によって、自分の話すスタンスを決めようという心理が働く。

だからこそ、聴きだすためには自分自身のプレゼンが重要なのである。
これにはもうひとつ意味がある。
自分のプレゼンが、相手を触発したり、思考と発想の枠組みや新しい視点を提供する効果をもたらすことがあるという点だ。
相手が話せることというのは、相手が頭のなかで整理してストックしてあることだけではない。こちらの聴き出し方によって、自分でそのときまで思ってもみなかったこと、自分でも忘れていたり考えたこともなかったようなことを話してくれることがある。
新しい視点や整理の枠組みによって、自分のなかにある情報をひきだして整理してくれる人物を好む人は多い。
新たな自己発見は多くの場合よろこびである。それによって自分にたいする疑問が解消することもある。かりに、自分自身の矛盾を気づかされたとしても、それを追及するのではなく受け入れて前向きに整理してその後の解決策を親身に考えようというスタンスをこちらがもっていれば、話をすることに意味を感じてくれる人は少なくない。

いい聴き手になるためには、ある程度、自分のほうから自分自身のこと、自分がもっている情報を提供することも必要なのである。そして、もちろん話をしてくれる相手に積極的に耳を傾け、話の流れをとめずに引き出していく態度が、相手にさわやかな後味を残すことになる。