自分の蝶を放て!

「やりたい気持ち」を持ち続けるために必要な7つの問い






一つのビジョンのもとに、人々の力を借りて「新しい何か」を創りだし、現状を変えること
それがプロデュースである。
もっとも自分らしい仕事を自分の手で生みだし、その仕事によって、自分と関係する人々、あるいは広く社会に対して価値あるものを提供する。そして、同時に、自分自身の人生、キャリアを切り拓いていく。
こうした生き方を実現することは、周辺世界と響きあいながらプロフェッショナルになろうと志向する人々にとって最大のテーマであり、夢である。
専門性を磨いて、自立し、刺激に満ちた時間のなかで自分のやりたいことを追求し、それを社会のためにも役立てていくということは素晴らしい生き方だろう。それが自分の社会的評価につながり、さらに生きる糧を得る手段となるなら言うことはない。
こうした生き方を追求する人は、みずから変化を創りだす。
変化は、社会(あるいは組織、市場、業界、数人のチームやサークル、家族など小さな集団)に影響を与え、サムシング・ニューをもたらす。そのプロセスでは、変化を起こすという試みにさまざまな人々が共感とともに参加していく。そこには、関わった人たち一人ひとりがキャリアを拓く場がつくられ、彼らの人生に大きなインパクトをもたらす。
そして、何より自分自身が変わっていく。
このような行為こそ、プロデュースである。





プロデュースには、やってみなければわからない要素が必ずある。
「本当にできるのか」という疑問は、自分のなかにも、プロデュースに参加してくれる人々の間にもありうる。
そういう「不確かさ」のなかで人を説得し、いっぽうで自分のモチベーションを維持し、「不確かさ」を乗り越えて先に進んでいかなくてはいけない。
したがって、プロデュース思考は、湧いてきたアイディアが、本当にやるべきものなのか、自分は本当に「やりたい気持ち」を持ちつづけられるのか、本当に人々のためになるのか、といったことを自分のなかで何段階にもわたってシミュレーションするプロセスでもある。
そして、自分自身が直感的に「これは素晴らしいアイディアだ」と感じたことを、「自分はこれをやりたい。実現すればきっとすごいことが起きる。これはやる価値がある。そして、これで実現できる」とアイディアを検証して、プロデュース実現への確信を深めていくプロセスでもある。
直感的に出てきたアイディアを、「魅力的な未来を創るために有効であり、やるべきことなのだ」と説明できるものにするために、どう論理を組み立てていけばいいか。
どういうアプローチで伝えていけば、共感してもらうべき人に共感してもらい、支援を得たい人から支援を得られ、説得すべき人を説得できるか。
そもそも、このプロデュースを仕掛けようという自分自身は、本当にやる気になってこのプロデュースにエネルギーを燃やせるのか。





7つの問いに答えを出す過程で、これらが明確になっていく。





それが、プロデュースを仕掛ける自分自身が自信を持ち、モチベーションを維持しつづけ、説得力を持って人を巻き込んでいく源泉になる。





7つの問いに答えを出す作業は、多くの人に構想を話す前に、まず自分に向かって頭のなかでプレゼンテーションし、プロデュースを仕掛ける自分自身がプロデュースの価値を認識していくプロセスだといえる。





<7つの問い※>
(1)ビジョンは何か(自分は何がやりたいのか)
(2)なぜ、そのビジョンなのか(なぜ、それをやりたいのか)
(3)コアテーマは何か(突破口を開く鍵となるアイディアは何か)
(4)自分に何ができるか(自分の果たす役割は何か)
(5)誰に何をやってもらうか(誰にどんな役割を担ってもらうか)
(6)大義名分は何か(なぜ、このプロデュースが必要か)
(7)付加価値は何か(どのような波及効果が生まれるか)





※「七つの問い」については、こちらの記事もご覧ください。
プロデュース思考の全体像①
プロデュース思考の全体像②
プロデュース思考の全体像③

佐々木直彦のnoteより