コンサルタントの事件簿

モチベーションの創造






「この方法で壁を打ち破ってやろう」というアイディアは、プロデュース思考の核である。アイディアがあるから、ビジョンの実現を信じることができる。
だが、アイディアだけでは足りない。
アイディアがあり、しかも、それをなんとしてもカタチにしてやろうという気持ちを持続させられるからプロデュースはカタチになる。
仮にいまはアイディアそのものが欠けていたとしても、実現したい未来を実現するために、何としてもアイディアをひねり出してやろう。アイディアのある人を捜しだして協力してもらおう、という気落ちを持続できればプロデュースはカタチになる。
プロデュースには、自分自身のモチベーションを生みだし、それを高め、維持していく思考パターンを持つことによって、自分の構想を常に支えていかなければ、何かあったときに挫折しやすいという側面がある。
モチベーションとは、何かを目指して、目標を達成するまではあきらめないとか、一つの生き方を貫こうという意識を持ち続ける意欲のことである。
新しいことを仕掛けるときは、どうしても理屈で説明できない部分が出てくる。前例のないことを理解してくれる人は少ないと思ったほうがいい。
短期的にみれば、新しい試みはリスクをともなうことも多い。多数決をとれば「時期尚早」、あるいは「混乱させたくない」と考える守旧派勢力に押し切られ、反対多数で否決されてもおかしくない。
多くのメンバーの合意をとろうとすれば、合理的に判断できる材料が乏しく保留になりやすい。
それがプロデュースである。
プロデュースしようという、やる気のある人間を周囲が信じてやらせてみるか、あるいは、プロデュースしようという人間が自分を信じてやりはじめてしまうか。
プロデュースがスタートするときは、このどちらかの要素が必ずある。
反対者や妨害者がいても、理解者や支援者が少なくても、実現を信じてやってやろう、という気持ちがあるからプロデュースははじまる。
壁を越えるための最低条件は、モチベーションなのである。