自分の蝶を放て!

プロデューサーの小さな行動






プロデュースは「やりたいこと」がなければ、はじまらない。
しかし、「やりたいこと」が周囲に影響することであればあるほど、「自分がやりたい」だけでは実現しにくい。
プロデュースには、「個人のやりたいことは、別の人のやりたいことと重なったとき、大きな力を得て実現に向かって前進する」という法則がある。
プロデュースは、共感者、支援者、そしてともに行動してくれる仲間が登場して、小規模でも強力で心強い行動態勢ができるかどうかが実現への鍵になる。
やりたいことを実現するために、自分一人で発想をふくらませたり、悩んだり、情報を集めていろいろなことを確かめたりするというプロセスは必要である。
だが、どこかの段階で、やりたいことへの共感者が現れ、一つのビジョンを掲げて活動するチームができたとき、プロデュースは実現に向けて大きく動き出す。
どうやってやりたいことを実現するチームをつくるか。
それが、プロデュースをカタチにするための行動の鍵だ。





プロデュースというと、さまざまな能力を持った人間たちを動かして世間をあっといわせるような何かをすることだというイメージを持つ人も少なくないだろう。
夢を実現させるため、変革を起こすためには行動を起こさなくてはいけない。
しかし、いきなり、周囲をあっと驚かせる行動に出たり、すごい宣言をしなくてはいけないわけではない。
動いてほしい人たちを動かすためには、それなりの「仕込み」が必要だ。
自分自身のやる気が高まっていくプロセスをしっかりつくることも必要である。
実現したいというモチベーションが高まり、自信を持ってプレゼンできるだけのバックグラウンドが自分のなかにできていなくては、人を説得する迫力が出ない。仲間になってほしい人、支援してほしい人を巻き込めるロジックもほしい。





プロデュースには、周囲から明らかに行動をはじめているとみえる前にしておかなくてはならない、目立たないが重要な行動がある。
それが、プロデューサーの「小さな行動」だ。
「小さな行動」とは、自分自身の判断で実施できる広い意味でのリサーチ活動である。
リサーチといっても調査・情報収集だけではない。実験・シミュレーション、広報、根回し、人脈づくり、支援者探し、チームメンバー候補探し、ビジョン・戦略づくりなどを含む。
探りを入れたり、新しくわかった情報をもとに考え直したり、説得したい人にアプローチするためのツールをつくったり、プロデュースを大きく実現に向けて進めていく動きを起こす前の仕込み(準備)は、すべて「小さな行動」である。