自分の蝶を放て!

夢を実現させるために超重要な第一歩とは






夢を持ち、いつかそれを実現したいと思いつづけることができれば、人は夢を語り、必ず行動を起こす。
闘って敗れたり、夢そのものがナンセンスなものだと思い直したり、あまりに自分の能力や資質を超越した無理なものだと気づいたとき、挫折することもあるだろう。むしろ、早く挫折して自分にあった夢を描きなおしたほうがいいといえる場合もないとはいえない。
しかし、どこまでが叶う夢で、どこからが非現実的な夢で終わる夢なのか、その線引きは難しい。
田中角栄氏は高校を出ていなくても総理大臣になった。
バスケットボール選手の田臥勇太氏は、身長が170センチに満たなくてもNBAのチームと契約した。
歌手の中島美嘉は鹿児島のコンビニの店員だった。
努力と才能は必要だろう。運も必要だろう。
だが、「なにものかになりたい」とか、「社会をこう変えてやりたい」とか、「すごいものを創りだしたい」という思いがあり、思いを語るべき人に語って行動を起こすからこそ、ホントかよということが実現する。





セレクトショップのアルバイト店員に過ぎない一人の十八歳の少女でも、いつか渋谷の一等地に自分の店を出したいと思いながら、日々自分の扱いたい商品について研究し、自分の客をつかみ、不動産について情報を集め、いざとなったら出資してくれる人の人脈をつくっていけば、まったく何もないところからでも、アパレル企業を立ち上げて成功することは可能だ。
思いつづけられるビジョンがあれば、人はいつか、必ず自分のビジョンを人に語る。そして、行動を起こす。
毎日、就職情報誌の広告ページを企業に売って歩く営業マンが、「いつか、人材採用を通して会社の経営を良くしていく仕事をしたい」と強く思いつづけていれば、いずれ行動を起こす。
その営業マンは、クライアント企業に対して、その企業に必要な人材像を明らかにする作業を一緒にやらせてください、と提案するかもしれない。その企業に魅力的なビジョンがないなら、ビジョンをつくる手伝いをさせてください、というかもしれない。募集広告にとどまらず、採用に関することならどんなことでも手伝わせてください、と申し出るかもしれない。
あるいは、事業戦略の観点から「売上規模で、ライバル会社に二年以内に勝つための人材採用」について提案するかもしれない。
新規事業や新会社設立を提案し、立ち上げメンバーを採用するプロセスをまるごと請け負う提案をするかもしれない。
こうしたことは、その気になれば十分に可能だ。
熱い気持ちを込めて何かを提案すると、相手は頭のなかで、なぜこの人はこんなに熱心に自分に語るのだろうか、という疑問を抱く。その疑問は、提案する人物に対する興味の現れでもある。そこで、相手は質問したくなる。
「あなたは、どんな人なんですか?なぜこういう仕事をするようになり、そもそも何がやりたいんですか?」と。
あるいは、プレゼンするなかで、みずから「自分は何をしたいのか」「何ができるのか」「どうしてあなたの役に立てるといえるのか」といったことを話し、そこでビジョンを語る場合もある。
熱い気持ちを伝えるプレゼンをすると、そういうコミュニケーションが自然に生まれる。
自分自身のビジョンと絡めたプレゼンは、相手に納得をもたらす場合が多い。
なぜなら、相手は、提案内容の善し悪し以前に、目の前にいる人間がどういうモチベーションを持ってその提案をしてきたのかということがわかるほど、納得し、安心するからだ。





何をすればビジョン実現に近づくかを考え、行動していれば、自分にノウハウが蓄積され、情報も集まる。クライアントの信頼も深まり、協力者が次々と現れ、描いたビジョンは次第しだいに実現に近づいていく。ときには一気に実現することもある。
もちろん、成果として、就職情報誌の広告ページの売上もあがるだろう。さらに、広告ページ以外のサービスで「コンサルティング料」や「企画料」といった名目でいままでにはなかった売上が立つ可能性もある。
売上、利益をもたらすという大義名分を押さえている限り、自分の通常業務の周辺で、自分がやりたくて創りだした新しい業務は、非常にやりやすい。
現状から飛躍していても、自分が実現したいと思う魅力的な未来像を描くことが、まず第一歩であり、それは非常に大きな一歩になる。