自分の蝶を放て!

構想が実現に向けて大きく動き出す、決定的瞬間とは


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プロデュースには、構想が実現に向かってはっきりと動き出す決定的瞬間がある。
それは、魅力的なビジョンの実現に向かって活動する「チーム」ができたときだ。
プロデュースは、個人が、自分のやりたいことを実現したいと思わなければスタートしない。
だが、プロデュースには、プロデュースが自分一人のものではなくなったときに、はじめて実現に向けて大きく動きだすという特性がある。
協力者が登場することによって、発案者が持っている潜在的なエネルギーが、想定を超えた大きなものになることは少なくない。
発案者と協力者の関係が化学反応を起こして、「1+1」が3になったり、5になったり、10になったりすることもある。
協力者の持っている技術やノウハウ、あるいは人脈が、発案者が長年解決できずにいた問題を一瞬のうちに解決してしまうということも起きる。
たった一人の協力者の存在が、実現への道を大きく開いていく可能性は常にある。
これは、ベンチャービジネスの起業や、社内の変革プロジェクト、あるいは映画製作やイベントプロデュースといった、多くの人の関わりがはじめから予測されるものだけにあてはまるものではない。
たとえば、自分自身が営業マンとして新しい販売チャネルを開拓し、販売実績を大きく拡大して、誰からも一目置かれる実績をつくりたいというプロデュース。
水泳選手である自分がオリンピックでメダルをとれる一流選手になるというプロデュース。
こういった、自分のキャリアをプロデュースする場合にもあてはまる。





自分自身のプロデュースであっても、自分のやりたいことを共有してサポートしてくれる人とチームをつくるということは、プロデュースの一つの基本型である。
これは、サポートしてくれる相手にとっても、自分のキャリアを拓く一つのプロデュースになる。
営業マネジャーにとって、優秀な営業マンを育てることは、自分自身のキャリアになる。また、新しい販売チャネルを部下が開拓すれば、それは部門の営業実績になる。すなわち、営業マネジャーとしての実績になる。
やりたいことが会社にとってインパクトが大きい場合は、事業部長クラスが事業部としての新しい動きをぜひとも形にしたいと支援してくれる可能性もある。
あるいは、社外のプロフェッショナルなビジネスコーチが個人的に契約してサポートしてくれたり、コンサルタントが、会社の営業開発プロジェクトの一環としてサポートしてくれることも考えられる。
社外のブレーンも、社内外で影響力の高まりそうな営業マンのキャリア創造のサポートは、非常に高いモチベーションでやってくれるはずだ。





こう考えると、自分個人の営業実績を創造してプロとしてキャリアを拓きたいというキャリア・プロデュースも、自分だけのものではなくなる。
サポートの力によって、実現可能性は大きく高まるのである。