
前編では、人が応援される理由は
「こんな未来を実現したい」という思いを持っていること
だという話を書きました。
しかし実は、ここでよく誤解されることがあります。
それは、
最初から立派な言葉で語れなければいけない
と思ってしまうことです。
けれども、現実はまったく逆です。
最初の言葉は、未完成でもいい
これまで多くの人の挑戦を見てきました。
その中でよく聞かれる質問があります。
「これまでで、いちばん素晴らしいビジョン(将来像)は何ですか?」
たくさん見てきたなら、きっと答えがあるだろうと思われるようです。
しかし、この質問に答えるのは少し難しいのです。
なぜなら、印象に残るのは
最初の言葉そのものではないからです。
むしろ印象的なのは、
ある人が「こんなことをやりたい」と言い、そこから行動を始め、
人と出会い、共感してくれる人が現れ、協力者が増え、
新しい世界がひらけていくという一連のストーリーです。
そして気がつくと、その人は
最初には想像できなかったようなことを実現してしまっている。
結果として、
「あれは素晴らしいビジョンだった」
と言えるのです。
行動すると、未来の言葉が磨かれる
実は、多くの場合、
最初に語られる将来像はそれほど魅力的な言葉になっていません。
説明を聞いても、
「それってどういうこと?」と思うこともあります。
それでも、
人に話す、小さく試してみる、協力してくれる人を探す。
そうしたことを続けていくと、
未来のイメージは少しずつ現実味を帯びてきます。
言葉も磨かれていきます。
そして、
「それ、面白いね」
と共感してくれる人が増えていきます。
つまり、
未来のイメージは、考えて完成させるものではなく、
行動の中で育っていくものなのです。
年齢は関係ない
こうした変化は、若い人だけに起こるわけではありません。
40代でも、50代でも、60代でも、
自分のやりたいことを見つけて、そこから新しい仕事を生み出した人はたくさんいます。
中には、
「自分のやりたいことなんて考えたことがなかった」
という人もいます。
しかし行動してみると、驚くほど世界が変わると言います。
それまで気づかなかっただけで、
共感してくれる人がいた、力を貸してくれる人がいた、
新しい可能性があったことに気づくのです。
そして、
「自分の思いをもっと形にしていいんだ」
と思えるようになります。
人は、人の挑戦を応援したくなる
未来の話を語り、行動している人の周りには、
少しずつ人が集まってきます。
相談に乗ってくれる人、アイデアをくれる人、
情報を教えてくれる人、人を紹介してくれる人。
そして時には、
「一緒にやろう」
と言ってくれる人まで現れます。
そうなると、その未来の話は一人のものではなくなります。
多くの人の力が集まり、現実に近づいていきます。
そして本人も、
自信が生まれ、ワクワクし、行動力が増し、
さらに前へ進んでいきます。
その姿を見た人は、
「最後まで見届けたい」
と思うようになるのです。
人は「向かう先」を持ったときに力を発揮する
一つの未来を実現した人は、
今度は他の人の挑戦を応援するようになります。
それは経験から来るものでもありますが、
もしかすると人は、
「どこかへ向かう存在」なのかもしれません。
たとえば、アサギマダラという蝶は
海を越えて数千キロの旅をします。
羽を広げてもせいぜい10センチほどの小さな蝶です。
それでも春になると南の島から本州へ飛び、
秋になると再び海を越えて戻っていきます。
もしこの蝶の中に、
「向かうべき場所」のようなものがあるとしたら。
それは決して特別な話ではないのかもしれません。
人もまた、
自分なりの行き先を持ったとき、
本来の力を発揮しはじめるのではないでしょうか。
すべては、思い描くことから始まる
未来や将来像の中身が魅力的であれば、人は自然に共感します。
そして、
相談に乗ってくれる
情報をくれる
協力してくれる
ようになります。
その結果、自信が生まれ、エネルギーが湧き、行動が続くようになります。だからこそ、周囲の人も応援したくなるのです。
まずは、
「こんな未来が実現したらいい」
と思えるイメージを自分の中に持つこと。
そこからすべてが始まります。
その思いを、どうビジョンとして言葉にしていくのかについては、別の記事であらためて整理します。

