コンサルタントの事件簿

自分の物語を忘れるな






決断を下さなくてはならないとき、自分のポリシーをもっている人は強い。何かアクシデントが起きてもぶれずに済む。いつも「よって立つもの」があるから、不安に陥りにくい。それは、周囲にいる人の心をも安定させる。





ポリシーのしっかりした人、しっかりしていない人の違いは何か。





それは、どれだけ自分のした重要な体験に意味をつけて整理して、その体験を自分の中で再認識してきたか。また、それを人に話してきたかどうかの違いである。





様々な人に自分の体験を話し、体験したことの意味について考えるところを話す。これは自分の表現を磨くと同時に、自分の認識のずれ、思考の不合理を相手の反応によって調整する機会になる。そうした「場数」が、自信をもって「これだ」と信じられる自分のポリシーをつくっていく。





ポリシーの背景には、その人自身の体験をベースにした物語が、必ずある。自分にとって大事な物語をストックしていると、目の前に起きるいろいろな出来事を、自分独自の視点をもって考えることができるようになる。しかも、考える作業が楽しくなる。それが自分の思考を整理し、心の安定をもたらし、自信をもった判断を可能にする。





物語のネタがない人はいない。しかし、そのネタを物語として自分の記憶に残して人生の糧としていくためには、自分の大事な体験に意味を感じて、自分の人生の中に位置づけていく習慣が必要なのだ。





誰もそれなりに忙しく生きている。目の前の仕事をこなしているだけで、どんどん時は過ぎていく。どこかで立ち止まって考えるクセをつけないと、大事な自分の物語は、いつまでも日の目を見ない。自分の人生を切り拓く魅力的なポリシーをもつこともできない。





自分の体験の意味づけと再構築を図れ