コンサルタントの事件簿

オンリーワンな勉強






だれにでも自分独自の重要な物語があるといったが、同じように、だれにでも自分にしかできない勉強をするチャンスがある。





自分の仕事の現場、あるいは自分で開拓したフィールドから学べることは非常に多い。





ところが、これを勉強と思うか、ただ金を稼ぐためにやっている労働だと考えるかの違いが、ものすごく大きな違いになってくる。





現場での実体験の中で自分の身についた能力が何なのか、自分で整理できた人は強い。プロジェクトを提案するときでも、転職するときでも、自分の経験と自分の能力を結びつけて、自信をもって自分をプレゼンできる。その人にしかない現場体験を元にする話というのは迫力が出るのだ。





だれでも、どんな専門家にも勝てる何かをもっている。





その人だけが知っている情報、その人だけが皮膚感覚でつかんでいる世界。それを整理できるかどうか。自分のオンリーワンな勉強が、どのように社会に役立っていくかをイメージできるかどうか。





ここを押さえられれば、人は必ず、いまよりもっと安心できる。自分にしかできないオンリーワンな勉強を続けていくことができれば、それは社会にとっても貴重な価値になりうる。





よのなかには資格をもっていると安心だと考える人がいる。資格をもっているだけでは、いい仕事を得ることはできないと考える人がいる。





どちらも間違っていない。





資格をもつことで、気持ちが安定したり、自信をもつことができるなら、取ればいい。それは、十分に意味があることだ。





もちろん資格がないとできない仕事がある。たとえば、医師や弁護士、会計士、税理士、宅地建物取引主任者などだ。弁護士なら、資格を得れば開業することはできる。だが、弁護士事務所をうまく運営しながら、いい仕事をクライアントに提供し、成功していけるかどうかということになると、話は別である。





資格があるだけで成功している人は、資格がなくてはできない仕事であっても、けっこう少ない。





実際は、何かをやりたいという強い気持ちと、継続的に学習を続けて自分を磨き続けるマインドや、人とコミュニケーションする能力のほうが、ずっと大事だ。





より大きな安心は、自分のもっている学歴や資格を超越したところで、相手にいい仕事を提供し、それによって認められ、自分がここに存在していると感じることで得られるのである。





相手にいい仕事を提供することが自分の安心にもつながる