自分の蝶を放て!

考えがまとまらないとき・・・






思考の整理は自分の整理からはじまります。自分の状況を知り、自分の中にある情報をもとにして導きだせる答えを探ります。





人は「自分と向き合い自分自身と対話することではじめて、周囲の人たちと響き合って新しいものを生みだし、未来にたどりつけるようになる」と私は考えます。自分と向き合うことを「リフレクション(内省)」といいます。しかし、実際には、リフレクションができている人は本当に少ないのではないかと、私はいつも思っています。





私はこれまで、コンサルタントとして自分自身が提案するだけではなく、多くのビジネスパーソンの提案をサポートしてきました。
企画や提案を「なぜやりたいのか」と聞いていくうちに、「やりたいこと」が揺らいでしまう人はたいへん多いです。
「やりたいこと」があっても「なぜ、自分がやりたいのか」を説得力をもって語れなければ迫力不足となり、結局プランは却下されてしまいます。
「なぜ、自分がそれをやるのか」を突き詰めていくには、自分と向き合って思考整理するしかありません。
しっかりと自分に向き合う時間をとれば、かならず何らかの答えがでてきます。それを見つけるだけで、自分の仕事のやり方や行動が変わっていくのではないでしょうか。

しかし、時には考えがまとまらなかったり、頭がなかなか回らないことがあります。
そのような時は、新しい視点や情報をもとに思考を展開させるのです。つまり、素材をもとに、自分の問いに答えをだしていくのです。
気になったフレーズを書きだすことで、それに反応して新しい思考が回りだします。また、書いた言葉から、新しいアイディアや問いが生まれることもあります。





私は、ノートを使うときは、ノートを開いた2ページ見開きが基本と考えています。
この見開きを





左ページ:情報を記録するエリア
右ページ:記録をもとに思考するエリア


このように考えると、さまざまな場面で思考の役に立つ使い方ができます。
左ページに、情報をメモしましょう。人の意見を書いたり、気になったフレーズを書き込んだり、直面している問題に関係する事実などを書いていきます。これが思考の「材料」となります。
右ページは、左ページのメモをベースに思考を巡らせるために使います。「問い」を書いたり、思い浮かんだ言葉を書いたり、整理のための図やイメージした絵やイラストを描いていきます。
右ページは、左ページの材料をもとに思考を展開させていくスペースとして使うのです。

ミーティングにも応用できます。
議論や内容を記録することだけに意識がいってしまって、その場で考え、それをまとめるためにノートやメモ帳を生かしていないことが多いのではないでしょうか。





左ページ:人の発言、議論の流れをメモする
右ページ:疑問点を書き出す、自分の意見をまとめる、議論の柱は何かを考える、これから先どう展開させればいいのかを考える





ノートの見開きを活用することで、自分のアイディアや意見を素早くまとめて発言できたり、未来に向かって有効な解決策を提示できたりするようになります。自分の思考を早く創造的に整理できるだけではなく、会議終了後に参加者に提供できる役立つチャート図ができたり、一味違う議事録がつくれたり、と、会議がより有意義になるための貢献ができます。