
■ なぜ、幸せになるために働いているのに、苦しくなるのだろう
あなたはいま、目の前のことに追われて日々を過ごし、疲れてしまっていないだろうか?
そういう状態を、どうやって脱却したらいいだろうか?
右肩上がりの時代なら、お客様の望みに応えている限り、売上はあがった。
お客様も、こちらもハッピーだった。
だが、停滞の時代は、違う。
お客様自身がどうすれば発展できるか明確ではなく悩んでいる。法人営業の場合、お客様企業も売上は頭打ち。予算も頭打ち。コストダウンの要求がきつくなる。しかし、その先にお客様企業の未来はひらけない。いや、どんな未来を目指せばいいのか、良い答えを持っていないお客様企業が大変増加しているのが、今の状況だ。
だから、お客様にとって目指すべき魅力的な未来をこちらで描いて見せてあげることがとても大事になる。
そこに向かって新しい案件を創造していかないと、こちらの売上はたたない。
■ 「尽くす」ことの限界に気づいた瞬間
一人のスポーツ選手がいる。彼は某大手企業のスポーツチームに属する若手のホープ。ずっと体育会組織で育ってきた。所属企業での仕事は大手企業を担当する営業。先輩、上司、年長者の言うことにはしたがう。もちろん、お客様にも。
社内の会議では、発言は控える。お客様の言うことにはすべてしたがう。そうしてきた。
ある意味、体育会のカルチャー。それは好感を持って受け入れられてきた。
いっぽう、プライベートでは、新婚で妻は妊娠中。いつも妻を気遣い、妻の要求にはすべて応える。そのために、最大限の努力を惜しまない。
それをモットーとしてきた。
だが、あるとき、彼は気づいた。
お客様のいうことを聞くのはいい。しかし、それだけでは業績頭打ちのお客様は良い状態に転換できない。
妻に尽くすのもいい。だが、妻の言うことをすべて聞いてあげていたとしても、妻の要求はつきることはない。それで本当に妻は幸せになるのだろうか?
■ 停止した思考が動き出すとき
忙しいと思考停止になって、目の前のことに対応することで毎日が過ぎていく。
ふと立ち止まる機会があった。
「ビジョンをつくるセミナー」
こうなるといいな、と思える未来を描いて、人に共感してもらい、手伝ってももらいながら行動して実現していくことを疑似体験する。
仕事でビジョンをつくるのはどうも難しい。目の前の現実が大きすぎて思考が未来に飛べなかった。
そこで、家庭のことを考えてみた。
妻を大事にしたい。だが、結局は、二人で、あるいは子供も一緒に目指せるような素敵な未来を描いてみんなでやる気になっている状態になった方が、みんな幸せなんじゃないか?
そう考えると、とても考えやすくなった。
奥さんの言うことを何でも聞いてあげる、ではなく、とても素敵な未来を描いて、自分も奥さんも、「いいなそれ、実現したい」と思って、生き生きとして、その未来に近づいていく。多少の紆余曲折があっても、最後にそこに行き着くぞ、という気持ちでやっていけるなら、それが幸せなんじゃないか?
こうして、まずは、つたないながら「ビジョン」ができた。
■ 「言うことを聞く」から「魅力的な未来に一緒に向かう」へ
それから半年が過ぎた頃、社内の会議で活発に発言する彼がいた。
周りは年上の社員ばかり。その年上の社員たちのだれもが、いまは、彼はリーダーシップのある若手社員だと思っている。
「しばらく会議では発言しない自分がいたのですが、良い未来を描いて、こうすればよいと思います、と発言することは、先輩や上司にまったく失礼じゃないし、自分にできるならむしろやるべきことだと自然に思えるようになりました。お客様にも堂々と自分のアイディアを提案できるようになりました。それで喜ばれているなと感じています」
彼はそういっている。
家庭での、妻との関係も変わった。
「何でも妻の要求することを聞いてあげるより、二人で一緒に目指す魅力的な未来がある方がいい。同じ方向をむいて歩いて行けるほうが、いいよね、と。それで、妻も喜んでいるし、気持ちも安定して幸せそうに見えるんですよ。じつは私が一番幸せなんですが」
■ まとめ:幸せは「ともに目指す未来」から生まれる
相手の言うことを聞くだけでは、相手を幸せにできない。
お客様でも、パートナーでも、同じことだ。
大切なのは、ワクワクするような魅力的な未来のイメージをつくり、
それを共有して、実現の方法を一緒に考えて行動していくこと。
その「ともに目指す未来」が、相手を動かし、自分を成長させ、
結果として、関わるすべての人を幸せにしていく。

