自分の蝶を放て!

自分を変える唯一の方法






ビジョンとは「現実から飛躍しているが、実現を信じることのできる未来像」のことである。
そして、プロデュースとは「一つのビジョンをもとに、人々の力を借りて「新しい何か」を創りだし、現状を変えること」である。





もっとも自分らしい仕事を自分の手で生みだし、その仕事によって、自分と関係する人々、あるいは広く社会に対して価値あるものを提供する。
そして、同時に、自分自身の人生、キャリアを切り拓いていく。
こうした生き方を実現することは、周辺世界と響きあいながらプロフェッショナルになろうと志向する人々にとって最大のテーマであり、夢である。
専門性を磨いて、自立し、刺激に満ちた時間のなかで自分のやりたいことを追求し、それを社会のためにも役立てていくということは素晴らしい生き方だろう。
それが自分の社会的評価につながり、さらに生きる糧を得る手段となるなら言うことはない。





プロデュースには、「個人のやりたいことは、別の人のやりたいことと重なったとき、大きな力を得て実現に向かって前進する」という法則がある。
プロデュースは、共感者、支援者、そしてともに行動してくれる仲間が登場して、小規模でも強力で心強い行動態勢ができるかどうかが実現への鍵になる。
やりたいことを実現するために、自分一人で発想をふくらませたり、悩んだり、情報を集めていろいろなことを確かめたりするというプロセスは必要である。
だが、どこかの段階で、やりたいことへの共感者が現れ、一つのビジョンを掲げて活動するチームができたとき、プロデュースは実現に向けて大きく動き出す。
どうやってやりたいことを実現するチームをつくるか。
それが、プロデュースをカタチにするための行動の鍵だ。
プロデュースというと、さまざまな能力を持った人間たちを動かして世間をあっといわせるような何かをすることだというイメージを持つ人も少なくないだろう。
夢を実現させるため、変革を起こすためには行動を起こさなくてはいけない。
しかし、いきなり、周囲をあっと驚かせる行動に出たり、すごい宣言をしなくてはいけないわけではない。
動いてほしい人たちを動かすためには、それなりの「仕込み」が必要だ。
自分自身のやる気が高まっていくプロセスをしっかりつくることも必要である。
実現したいというモチベーションが高まり、自信を持ってプレゼンできるだけのバックグラウンドが自分のなかにできていなくては、人を説得する迫力が出ない。仲間になってほしい人、支援してほしい人を巻き込めるロジックもほしい。





プロデュースには、周囲から明らかに行動をはじめているとみえる前にしておかなくてはならない、目立たないが重要な行動がある。
それが、プロデューサーの「小さな行動」だ。
「小さな行動」とは、自分自身の判断で実施できる広い意味でのリサーチ活動である。
リサーチといっても調査・情報収集だけではない。実験・シミュレーション、広報、根回し、人脈づくり、支援者探し、チームメンバー候補探し、ビジョン・戦略づくりなどを含む。
探りを入れたり、新しくわかった情報をもとに考え直したり、説得したい人にアプローチするためのツールをつくったり、プロデュースを大きく実現に向けて進めていく動きを起こす前の仕込み(準備)は、すべて「小さな行動」である。





いくら理解できていても、頭の中で考えているだけではいつまで経ってもビジョンは実現しないし、プロデュースにもつながらない。
最初の一歩を踏み出すのは勇気がいることだが、「小さな行動」を積み重ねていくと、気づけば違う景色が見えているのである。
行動することが、自分の未来を素晴らしいものに変える唯一の方法なのである。