
ビジョンは、こんな未来になったらいいな、とか、
もっと積極的に、こんな未来をつくりだしたい!
ということを表現したものです。
今とはギャップがあるけれど、そんな魅力的な未来が実現できたら素晴らしいし、そこに行き着く方法もあるんだと信じられると人は動きはじめられます。
今回は、自分のことではなく「自分が関わる相手」のことを考えてみたいと思います。
おそらく、多くの人が、誰か自分が関わりを持つ相手が、魅力的なビジョンをもって、今とは違う、より良い未来に行き着いてくれたらいいなと思ったことがあるのではないでしょうか?
自分が気になっている友人、仲間、部下や後輩、あるいは、チームや組織のボス。そして、お客様(企業の場合も、個人の場合も)、自分の所属する組織。
現状から脱却したい人は、多いですし、変革したいのに変われずにいる組織が多いのも事実。
相手が個人でも組織でも、ニーズはすごくあります。
しかし・・・
これは、なかなかできるものではない、と感じている方も、また多いでしょう。
1つのビジョナリーな方法によって、変わりたいけど変われない相手を変えられます。
その方法とは、
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こんな未来を実現できると、あなたらしいし、素晴らしいことになると思うのですが、どうですか?
と相手に「ビジョン提案」し、つぎに、「こんな未来」が実現していくストーリーを熱く語る
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これだけです。
事前の仕込みは、ないよりあったほうがよく、以下の3つが基本です。
1. 相手のことを調べる
相手のやりたいこと、好きなこと、嫌いなこと、できること、やってきたこと、など・・・
これは相手と会話しながら相手のことを整理していってもいいです。
さらに、相手を取り巻く世界のことを調べられるだけ調べます。
2. 相手のことを整理する
相手の状況をノートなどに、絵を描きながら整理していきます。
これもできる範囲でオーケー。
3. 相手の魅力的なビジョンを描く
相手の気持ちになったり、俯瞰した目線から相手を取り巻く周囲の世界や
社会のトレンドを考えながら、こうなったらいいな、というイメージを
自分自身で豊かに描きます。
これらは、けっして完璧なものでなくとも構いません。
極端に言えば、事前の仕込みが何もなくとも、その場で相手と会話しながら、頭の中で、足りない情報があるのを承知で仮説を組み立て、魅力的なビジョンを「提案」しても構いません。
(なれると、これが臨機応変にできるようになります)
それで十分、相手に良い球を投げることにはなり得ます。
ビジョンは、所詮は未来に関する仮説です。
ビジョン実現のストーリーも、妄想です。
まだ起きていないことを語るわけですから。
確実なものは何一つありません。
しかし、ビジョンが魅力的であり、実現に向かって相手が情熱を燃やせるものであり、実現の方法がイメージできたり、すでにやってみて小さくとも成果が生まれていたりするなどしていて、実現可能だと信じられれば、相手は動きます。
コーチングでは、本来、相手がその気になるのを支援する際に、あまり、コーチがガイドしすぎないほうがいいという考え方がありますよね。
しかし、ビジョン提案は、相手をその気にさせることはあっても、ガイドしすぎることは意外におきないと私は考えています。
これは魅力的なビジョンだ、と相手が気に入っても、ビジョンの細部は曖昧です。
実際に行動していくプロセスでは、かならず想定外のことが起こりますし
やってみて、はじめて明確になっていく部分もでてきます。
ですから、相手が自分で主体的に考えて行動しなくてはいけない局面はかならずあり、それがないと、ビジョンは実現できないわけです。
結局、これは、相手に「問い」を投げておいて、それをきっかけに、相手が問いの「答え」を考えはじめることになるのです。
相手は、まず相手なりに、提案されたビジョンをきっかけにイメージを膨らませていくはずです。
さらに、ある程度行動して、「答え」を見つけようとします。
人も組織も、自分のことはわかっているはずなのに、自分の力だけで魅力的な未来を描くことは意外に難しいものだと私は考えます。
当事者は、どうしてもいろいろなことにしばられています。
それで、「飛躍した発想」ができない場合が少なくありません。
第三者の方が、はるかに自由に発想できます。
仮説を立てて、本当はこうじゃないんですか?
と、魅力的な未来のイメージを提案してみせることによって、相手に、自分の中に眠っていた潜在的な可能性を気づいてもらうことができます。
提案したビジョンが、いくらかズレている、ということは常にあり得ます。
ズレているとわかったときは、修正しましょう。
ズレが大きければ、いったん引っ込めましょう。
けっして相手に押し付ける意味はありません。
ビジョンというのは、もともと、受け入れられなければ広がらないもの、なのですから。
ビジョンには社会的に価値提供できる内容が含まれています。
そういう価値を相手の特長を活かして創造しようという話ですから、仮に相手の志向と違っていたとしても、嫌な気持ちを与えることはまずない、
というのが私の経験上の印象です。
こういうスタンスで、十分、相手を変化に向けてサポートできます。
場数を踏めば誰でも、これで、コンサルができます。
営業なら、お客様に大胆な提案をして、お客様にその気になっていただき
新規案件を立ち上げる際に、これが大変役立ちます。
それは、「他社にはできないプロデュース要素のあるソリューション提案」
になるわけです。
組織内で、何らかの変革プロジェクト提案をするときにも、同様のアプローチが可能です。
リーダーシップ開発にも活用できます。
また、ビジネスでなくとも、自分が気になっている人の人生を、より良い状態に転換していくサポートを、何らかしたいと考えたときにも、役に立ちます。
相手に、こういう「ビジョン提案」をして、相手と、そのビジョンをたたき台にして対話をしていくと、ビジョンは、より魅力的なものになっていきます。
そして、実現を信じられる、よりリアルなものになっていきます。
「ビジョン提案」は、不確実な未来の話からはじめて、互いのキャッチボールをしながら相手をその気にさせ、現実を変えていく、きっかけをつくりだせます。
この方法は、
人間が自分の可能性を活かしあいながら、それぞれの個性をリスペクトしあい現状をより良いものに変えていく、
という、けっこう魅力的な方法だと、私は考えています。

