自分の蝶を放て!

危機が訪れたときのノートの使い方






危機は誰にでも訪れます。
ときに、突然に。





上司から怒られた、も危機。
お客様から、仕事をキャンセルされた、も危機。
財布を開いたら、お金が足りない、も危機。
放置していたらまずい状況が確実に起きるのに誰もわかってくれない、
も危機でしょう。
そういうとき、頭が混乱して、どうしよう、となることは誰にでもあり得ますよね。

コンサルタントをやってきた私自身、危機は何度もありました。
クライアント企業Z社のある部門の会議でのこと、第三者であるコンサルの私の目の前で、部門のトップが他のメンバーに突きあげられ、会議は突然、大炎上ということもありました。
各社で何度もやって評判が良いと思ってきたセミナープログラムが、初めて実施したX社で、冒頭、まったく受けず、スタートからの60分間は、非常にきつい魔の時間となったということもありました。





こんなとき、どうするか?





良い方法があります。
基本は、そのとき、自分ができることをするということなのですが、
「そのとき自分ができること」がわかる方法、
もっといえば、目に見えるようにする方法をお伝えします。





その場で即座に判断しなければいけないか、あるいは、一旦時間をおいて、次に向けてよい準備をしていけばよいか(そうせざるを得ないか)によって、じっさいの行動は変わってきます。
しかし、知っておけば両方に活用できるというのが、この方法です。





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1)「なぜこうなったのか?」と自分に問いかけよう
2)自分と向き合って答えを出し、その答えをノートの左下に書こう
3)どんな状態になればいいかイメージして、ノートの右上にその状態を描こう
4)何をすれば右上の状態に近づけるか考えてノートの見開きの真ん中に行動できることを描こう





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この4つのステップで、今自分のやるべきこと、できること、が見えてきます。
そうすると、混乱していた頭は整理され、とても落ち着いた状態になることができます。
まだ、問題が解決されたわけではありません。
しかし、人間というのは不思議なもので、
「こうすれば解決に近づけるんだ」
とわかると、いまが危機であっても、楽になれます。
そして、解決に向かって迷いなく行動できるようになりますから結局、解決できるのです。

じっさい、先ほどの私自身の例で、X社で、冒頭に全く受けなかったセミナープログラムは、この方法で解決策が見えました。魔の60分の後、なんとか持ち直してその日は終了したのですが、2回目も予定されていたので、魔の60分を解決したかった私は、まっすぐ帰宅せずに、ワインバーで、ノートを開きました。
そして自分に問いかけました。





「いったい、なぜ、みなさん、あれほどノリが悪かったのだろうか?」と。





すると、
1)私は、X社についての基礎知識が不足していた
2)受講者がどんな気持ちで参加していたのか、受講者の事情をわかっていなかった
ということが、ノートに答えを書きながら、すぐにわかりました。





この2つを、ノートに左下に
私の不理解
受講者の事情
とそれぞれ丸で囲って書き、ノートの右上には
「スムーズなスタートを実現して、プロデュースへの理解を深めてもらう」
と書きました。プロデュース能力を身につけてもらうセミナーでしたので。





すると、
X社のカルチャーをもっと知る
ほぐすセッションを用意していく
の2つが解決策として浮かび、これらを真ん中の空いたスペースに書きました。





こうして、ノートの左下から右上へむかって解決へのプロセスが描けたわけです。
まだ、解決していないのですが、これで、今、自分ができること、やるべきことが見えたので安心して家に帰ることができました。





Z社のケースでは、そんな時間はなかったので、個人攻撃がはじまり紛糾しかけそうになったところで、
「ちょっと、いいですか」と言いながら私は席を立ち上がりました。
そして、前に出て、ホワイトボードのところまで歩いていき、
「皆さんの目指しているものはこういうことではないでしょうか?」
といって、ビジョンを描き、実現へのプロセスを絵にしました。
Z社らしいコンセプトも絵にして示しました。
すると、「それですよ、私たちがやりたいのは」と何人かいいだしました。
現状批判は消え、みなさん、未来をみる目線に変わっていきました。
こういう時に描く絵というのは、人に気持ちを引きつけて悪い意味で熱くなった感情をクールにさせる力があります。
その絵は、状況をよくしてくれるヒーローになります。だからこそ、その絵の責任は重大なのですが。
Z社の場合は、未来をこう描くと魅力的だろうというものをあらかじめ考えて持って行っていたから即座にできたのですが、これも、ノートを使ってやる(1)から(4)までの作業をホワイトボードでやっただけのことです。





危機に陥ったとき、何かつらいことが起きて、解決しなくてはいけないとき、この方法を試してみてください。
すべてをその時に解決できなくとも、解決に向かって前進できるイメージが湧くことが何よりも大事です。
それで、きっと行動できるようになりますので。