
エンプロイアビリティ(どこでも活躍できる力)の第一歩は、自分が追求すべき「テーマ」を明確にすることです。
テーマが定まれば、そこに資源とエネルギーを集中できます。情報も自然と集まりやすくなり、実践の場が広がり、実績や専門性の獲得につながります。コンセプトワーク(構想)、フィールドワーク(現場経験)、ネットワーク(人脈づくり)も、テーマが明確なほど効率的に行えます。
つまり、自分のテーマを設定することが、エンプロイアビリティの土台になるのです。
ジョブ型雇用の時代に求められる視点
近年、多くの企業が「ジョブ型」の人事制度を取り入れています。職務を明確に定義し、その職務を遂行できる人材を配置するという考え方です。グローバル企業では、国を超えて同じ基準で採用・評価しやすいというメリットもあります。
その一方で問われるのは、「自分はその職務に必要なスキルを持っているか?」ということ。もし足りないなら、どう補うのかを自分で考える必要があります。
新たに生まれた職務に就く場合、全員が新しいスキルを身につける必要が出てきます。たとえば、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進めば、職務内容も当然変化していくのです。
リスキリングの本質:学びと訓練のバランス
こうした時代背景の中で、「リスキリング(学び直し)」が求められています。ただし、新しい知識を学べば十分、というわけではありません。
大切なのは、「訓練」の要素。
つまり、実際にやってみて、経験の中から自分なりの理解を深めていくことです。これによってプロとしての説得力が生まれ、課題解決や創造的な業務につながっていきます。
自分のテーマを持って仕事に向き合うことは、まさにエンプロイアビリティの核心です。
あせらず、今までのテーマを見直そう
新しい職務に就くためにリスキリングが必要になっても、焦ることはありません。むしろ、これまで自分が培ってきたテーマや経験を、新しい環境でどう活かせるかを考えることが大切です。
学習や訓練のプロセスは、自分のキャリア仮説を深めたり、新しいネットワークを築いたりする機会にもなります。
学びの場が、仲間との出会いになる
通学制スクールや長期の勉強会、少人数制のセミナーなどでは、参加者同士のコミュニケーションが自然に生まれます。情報交換だけでなく、励まし合い、競い合い、意気投合することもあるでしょう。
こうした場での出会いは、学習期間が終わった後も続き、講師や事務局担当者を含めた信頼のネットワークになることもあります。
フィールドワークの前提としての学習と訓練
新しい仕事を始めるには、事前に特定のスキルや知識、資格が求められるケースも少なくありません。特定のシステムやソフトに習熟していなければ入れないプロジェクトや、資格が必要な仕事、マナーや応対が重視される場面などです。
企業が採用後に社内教育を実施する場合もありますが、あらかじめ必要な技術や知識を身につけておくことが、採用の前提条件になることも増えています。
自分で学びをデザインする力
これからの時代に重要なのは、自分で「どんな学習をすべきか」「どのように訓練を積むべきか」を判断する力です。
学習と訓練は、現場で働く前の準備であり、心理的なシミュレーションでもあります。そしてそれは、「この仕事は本当に自分がやりたいことなのか?」を見極めるチャンスにもなります。
まとめ
時代が変わっても、「自分のテーマを明確にして追求し、実践を通じて専門性を高める」ことの重要性は変わりません。
リスキリングが求められる時代だからこそ、焦らず、学びと訓練を通じて自分の軸を深めていくことが、プロとしての未来をひらく鍵となるのです。

