コンサルタントの事件簿

一貫したコンセプトの申し子






「昔の夢は諦めちゃったからなぁ」という人は多いだろう。





しかし、いまやっていることが、昔の夢と違っているとしても、過去と現在でつながっている部分はだれにでもある。





キャリアビジョンを描くワークプログラムをやってみても、ほとんどすべての人が、客観的に納得できる「いま自分がやりたいと思っていることにつながる自分の原点」を自分の歴史の中に探すことができる。





たとえば、子どもの頃、サンダーバードが好きで、テレビを夢中になってみて、プラモデルをすべて買い、将来はメカに詳しいエンジニアになって地球を救おうと夢見ていた元少年がいる。





彼はいま、保険会社に勤めている。保険会社と、サンダーバード。全然つながっていないじゃないかというと、これがそうではない。





彼は、パソコンにやたら詳しい。いつも自分の分身のごとくもち歩き、通勤電車の行き帰りも、必ず座席に座ってパソコンを操作している彼の周囲はまるでコックピットのような雰囲気が漂っている。ビデオ編集にも詳しい。





もともと創造的な頭と感性をもっているが、口でしゃべって押しきるのではなく、必ずパソコンで何かをつくりあげ、シートやスライド、動画映像にして示したがる。





業務上の情報コミュニケーションシステムの改善も、ついでのようにやってしまう。技術系の学部を出たわけではなく、学校時代はけっこう遊んでいたようだが、とにかくメカが好きなのだ。





組織改革プロジェクトの中心メンバーに名を連ねる彼は、いつもIT兼プレゼン担当として全幅の信頼を他のメンバーから勝ち得ている。パワーポイントのスライドをつくっても、彼の作品はちょっと見る人を驚かせる。





彼は、あきらかに技術の力でキャリアを切り拓いている。





オフタイムは、子どもを連れてキャンピングカーで大自然の中に出かけていく。海外も、行ったことがない国がないくらい旅してきた。





地球を救っているとは思えないが、やはり何かがつながっている。





活躍している彼にも不安はあるし、悩みもある。





だが、行き詰まったとき、自分の中にある一貫したものを再認識すると、やるべきことは何か、答えが見えてくると彼はいう。





未来のヒントは過去にある。過去から現在まで流れている「つながり」を意識しなおそう。